最速で写真撮影が上達する方法:いい写真とは日常と非日常のバランス

日常と非日常のバランス
Pocket

カメラに携わって丸3年がたちます。写真は好きだし、カメラにも魅力を感じはします。しかし、ずっと払拭されない思いが、僕にはありました。

写真は、むずかしい。

ずっとずっと、くすぶっていたこの思い。写真を撮ってはいても、まったく上達しない、という苦痛です。とてもではないけれど、人にお見せできるような写真にならない。この記事を読み始めたあなたもそうかもしれません。そして、考えに考えて、ついに、[いい写真]というものを撮影する方法を考察していきたいと思います。

そもそも、いい写真とはどんな写真なのでしょう?この質問をしたときに明確に答えられる人がプロもアマチュアも含め、どれだけいるでしょうか?この記事を読めば、あなたはいい写真がどんな写真なのかが、明確にしておいたほうが、良い写真を取れる確率は上がると思いませんか?それはつまり写真が上達することです。

そう、今まではいい写真とは何なのかを知らなかっただけだったんです。いい写真の定義がわかれば、いい写真を撮影することは、誰にでも必ずできます。
この話を読めば、きっとあなたも人に自慢したくなるような写真が今すぐ撮影できるようになるでしょう。

 

1.写真の撮り方の2種類

写真の撮り方には二つあります。

1.自分が表現したい瞬間を描きたい能動的撮影
2.いいと思った瞬間を切り取りたい受動的撮影

1の場合は、この写真を撮りたい!と明確に自分の頭の中のイメージがあり、
その写真を撮りにいくという写真の撮り方です。
例えば、野鳥の撮影やポートレイトなど、写真を撮ることを目的に、
自分から撮影に赴くような写真の撮り方です。

2の場合は、日常の風景や瞬間でいいなと思ったものを撮影する写真の撮り方です。
お散歩や旅行にカメラをもっていき、いいと思った被写体を撮る写真の撮り方です。
別の目的の副産物としての、写真を楽しむという写真の撮り方です。

一般的に趣味で楽しむという段階での撮影は

大多数の方が2の撮影の方法なので、こちらに焦点を当てていきます。

日常の中でいいなと思った瞬間を上手に撮影できたら、すてきだと思いませんか?

 

2.いい写真とは何か

一般的に人がこれはいい写真だと思うのは、その写真が普段では見られない非日常の瞬間を捉えているからだと私は考えています。日本で普段と変わらない日常が写っていても、いい写真と感じてもらうことはかなり難しいことです。

しかし、外国という土地での、普段と変わらない日常が映っている写真を日本で見せると、いい写真だと言われます。例えば、日本でお寿司の写真を撮影しても、日本人からみれば、それは普通にお寿司です。しかしアフリカでアフリカの郷土料理の写真を日本で見せると、日本ではいい写真と言われます。つまり

”いい写真とは非日常を疑似体験させてくれる写真”

だということです。写真とは日常の瞬間を切り取る物で、瞬間とは人間の目では捉えられない非日常です。例えば、流れる水を普通に撮影しても、なんの変哲もない写真ですが、水滴まで鮮明に映る写真はいい写真だといわれます。

同じ水道水を撮っていても、2番目のほうがいい写真だと思いませんか?これは、鮮明な水の流れは人間の眼では捉えられない非日常だからです。
しかし、写真の要素が100%非日常だとCGになってしまいます。つまり、

”いい写真とは非日常を疑似体験させてくれる写真”

実はいい写真の意味とは、かなり映画に近いものがあると考えています。いい写真とは非日常を疑似体験させてくれるアトラクションだということです。日常3:非日常7。この割合を一枚の写真の中でつくるといい写真といわれる写真になります。

例えば、ウユニ塩湖はどんなカメラで誰がどんな風に撮ろうが、いい写真になります。これは被写体が圧倒的に非日常だからです。例えば、深海魚を撮影すると大体がいい写真になります。深海魚を見ることは日常ではありえず、深海魚は圧倒的に非日常だからです。

 

3.写真の構成要素

写真の構成要素は3つ。

その構成要素を非日常に近づければ近づけるほど、いい写真といわれる写真になります。

構成要素① 被写体
構成要素② 解像度
構成要素③ 構図

この写真の構成要素すべてに、非日常を織り交ぜていきます。

 

ケーススタディ:ミニトマト

(撮影:FOREST CAMERA)

①被写体:ミニトマト(日常)
②解像度:くっきり、前景背景ボケ(非日常)
③構図 :マクロ接写(非日常)

上の構成要素を考えていくと被写体としてのミニトマトは圧倒的に日常要素です。ですので、解像度と構図で非日常を感じさせなければいけません。
解像度は今回はくっきり切れよく、対比させて前景、背景のボケで非日常を作ります。構図はマクロ接写にして、こちらも非日常にします。

 

ケーススタディ2:タカ


(参照:かっこいい鷹

①被写体:タカ(やや非日常)
②解像度:くっきり、背景真っ黒(非日常)
③構図 :望遠接写(非日常)

タカは動物園に行けば見ることができますが、日常で見ることはほとんどありません。ですのでやや非日常的な被写体です。背景は真っ暗で、人間の目で見るよりもきれいな解像度で、非日常を作り出しています。

また構図としては少し見上げる角度から、タカがどこか一点を見つめているという構図になっていますので、これは人間の視野角よりもやや非日常よりです。つまり

背景が真っ暗な状態で、檻もなくこれだけ近づいてタカを見れる

という非日常を疑似体験できているので、これはいい写真と感じます。

人間が直接視覚的にとらえる風景とは少しだけずらした非日常の要素が入ると、「いい写真」と言われるということです。

高いカメラとレンズを使うとなんとなく「プロっぽく見える」写真が撮影できるのは、「高い解像度」「ノイズの少なさ」と「ボケ」が人間の視覚的にとらえる風景よりも非日常よりになるため、「いい写真」と感じさせる確立が高いということです。理由がわかれば、いい写真を撮ることは誰にでも可能になります。

 

マクロとモノクロとポラロイド

日常の中に非日常を入れることによって、「いい写真」と客観的に評価されるということになります。では、一番簡単にいい写真と評価されるために簡単にできることは何でしょう?それは、

接写(マクロ)とモノクロとポラロイド

です。

どんな写真でもモノクロ(白黒)にすると「プロっぽく見える」のは人間の視覚で白黒で風景を見れることはなく、モノクロにすると圧倒的に「非日常」になります。
どんな被写体でもマクロ撮影にすると「プロっぽく見える」のは人間の視覚でマクロで被写体を見れることはなく、マクロ撮影は圧倒的に「非日常」になります。
ほかにも、今人気のチェキやポラロイドもあえて解像度を低く、ノイズが入り、昔っぽい雰囲気に自動的になるので、「非日常」にの要素を取り入れることになります。

 

まとめ:写真の構成要素に非日常を入れていく

いかがでしたか?

・いい写真とは、日常の中に非日常の要素を入れていく
・写真の構成要素は、被写体・解像度・構図である
・マクロと白黒でとれば大体いい写真になる

ということでした。

写真の各構成要素に非日常を織り交ぜることによって、いい写真だといわれる確率が高くなるということです。また、最も重要なのは、被写体です。どんなカメラを使っても、どんなレンズを使っても、被写体さえよければ、いい写真になります。しかし、プロでもない私たちに必要なのは、日常をいかに非日常に見せるか、が勝負になります。

(文章:フォレストカメラ 深澤 森)

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です